南九州市立中福良小学校~花と作文とあいさつの学校~

創立146周年~花と作文とあいさつの学校の日々の様子~

毎週水曜日 朝のあいさつ運動

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「社会を明るくする運動」の作文コンクールに書いた子どもの作文を紹介します。

 

 

あいさつだけはしっかりと
         
「ぐれてもいいから、あいさつだけはしっか りとしろ。」
これは、社会を明るくする運動の出前じゅぎょうをしてくれた松村さんの言葉だ。
 中福良小では、今年から、保護司の松村さんに来ていただいて、社会を明るくする運動について話をしてもらうことになった。
 まず、鉄けんという人が作ったパラパラまん画の動画を見た。動画の中の男の子は、悪いことをした。そして、悪いなかまといっしょになって、どんどんぐれていった。けいさつにつかまり、さらに、悪いことをして。
 でも、保護司の人が助けてくれて、立派な大人にしようとしてくれた。やさしい人だなと思った。それでも仕事でしかられるとまたおこって、ぐれて。それでも助けてくれた。そうしているうちに、悪い人から生まれ変わったかのように、やさしい人になっていた。
 今まで、ぼくたちは、社会を明るくする運動や保護司という仕事について、全く知らなかった。最初は「保護司って何。」と思っていたけど、数本の動画を見たら、保護司の役わりを理解することができた。
 松村さんは、初めて対しょう者に会う前は、今でもきんちょうするそうだ。どんな人なのか分からないのだから、当たり前だ。でも、会った時には、全員に必ず言うことがある。それは、ぐれてもいいからあいさつだけはしっかりとしろということだ。それを聞いた時は、意味が分からなかった。しかし、
「中福良小には、あいさつ運動がある。あれ は、いい。あいさつは、なかまを信じると いうこと。社会が明るくなる。」
と言われた時に、意味が分かった気がした。そして、今までのあいさつを考えてみた。
 ぼくたちは、毎週水曜日にあいさつ運動をしている。でも、それは、ぼくたちが考えて自分からしたのではなく、中福良小でずっとしているからしているだけだった。
 だから、今思うと、ぼくたちはあまり熱心にあいさつ運動をしていなかった。暑くてしなかったり、寒くてしなかったり。また、あいさつのために立っているのに、友達とテレビのことについてしゃべっていて、あいさつをてきとうにしたこともあった。
 そんなとき、校長先生に注意されたり、地域の人におこられたりした。地域の人には、
「あいさつの時はぼうしをかぶれ。」
と大きな声でおこられた。ぼくたちは、
「何あの人。まじ最悪。あいさつ運動でぼう しをかぶらないといけないということは中 福良小では決まっていない。なんでおこら れないといけないんだ。」
と、みんなでぐちを言った。でも、松村さんの話を聞いて、これではいけないと思った。みんなも同じ気持ちだったと思う。
 次の週の水曜日になった。ぼくたちは、まず、しゃべることを減らした。そして、深々と、心のこもったあいさつをしようと心がけた。友達が、
「だれが一番大きな声が出せるか、きょうそ うしよう。」
と言った。そうして、ぼくたちは、見違えるようなあいさつをすることができてきた。
 そんなとき、ピンクの車が近づいてきた。そして、信号で止まった。ぼくたちは元気よくあいさつをした。すると、窓が開きだして、運転していた男の人が、
「お早うございます。」
と、にこにこわらいながら、手をふってくれた。その他にも、いろいろな人が、ぼくたちに手をふってくれた。みんなで、
「元気でるわ。朝からにらまれても、気持ち が悪いもんね。」
「あの人いい人だね。よし、がんばろう。」
と口々に言った。
 同じあいさつなのに、社会を明るくする運動の出前授業を受けただけで、だらだらしてだめだったぼくたちが、しっかりとあいさつができるようになった。それは、すごいことだと思う。保護司の人たちの仕事は、すごいなと思った。ぼくたちをやる気にさせてくれて、しっかりとあいさつができるようになった。そして、あいさつを受けた人たちが、どんどん笑顔になっていく。松村さんが、社会を明るくする運動といっても、最初から大きなことをする必要はない。身近なことから始めればいいと言われた。ぼくたちにとっては、いいかげんな気持ちでしていたあいさつを、大きな声でせいいっぱい、心をこめてするということがそれにあたるんだなと実感したしゅんかんだった。
  最後に,もう一度動画を見た。白黒なのに、なぜかカラーの部分があった。それは,黄色い羽根だ。男の子が生まれた時と,男の子がまじめに生きることができるようになった時に,黄色い羽根がでてきた。黄色い羽根のことをしっかりと知ってほしいからだろう。
 調べてみると,この羽根は,社会を明るくする運動のシンボルだということがわかった。総理も黄色い羽根をつけているから,すごいなと思った。犯罪のない明るい社会にしようとしているところがすごい。
 ぼくは、保護司のようにはなれないかもしれない。でも、自分でできることをやりたい。松村さんのように人のためにがんばりたい。そして、ぼくもパラパラまん画の男の子のように、くいのない生き方をしたいと強く願う。

 

 私自身,中福良小に赴任するまで,「社会を明るくする運動」のことは,恥ずかしながら,知りませんでした。本校児童のおじいちゃんが保護司なので,そういう縁で,コンクールに出品するようになり,とても勉強になりました。